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完全再現!〜1976 Paris Tasting again~


41年前の今日、5月24日。 伝説のブラインドテースティングがパリで行われました。無名の「アメリカ」のワインが、フランスの名だたるワインに勝ったのです。 …そして。「ナパバレー」というワイン産地が全世界に知られ、認められた「事件」となりました。それが、1976年5月24日。 まだ世界の中では「カリフォルニアでワイン造ってるの?」なんていう時代に。世界に激震が走ったという歴史的イベント…

ついに。 こんな日が私にやって来るなんて。

 なんと。41年前のそのオリジナルワインをあるワインコレクターの方の個人的な主催で「パリスの審判 in 東京」として再現されるイベントに参加させて頂いたんです。

しかも。 当時の赤ワイン1位に輝いた、元スタッグリープワインセラーのオーナー兼醸造家のウォレン・ウィニアルスキ氏をゲストに迎えて。

 世界でもオリジナルワインでリベンジマッチが行われたのは過去にたったの2回。そして、これで本当に最後であろう3回目のイベントがこの東京で行われたのです!

第一部はメディアも入り、審査員9名とゲストによるブラインドテースティング。残念ながらこれには私は参加できませんでしたが、、、、

結果は・・・・・ いえいえ。今回の趣旨は対決ではなく、歴史をもう一度振り返る、なのですが。 一応点数は付いていたのでご報告いたします。

なんとまたしてもカリフォルニアワインの勝利!!

米#1 1969 Freemark Abbey 153.5 米#2 1971 Mayacamas 147.0 仏#3 1970 Ch. Mouton Rothschild 146.5 米#4 1971 Ridge Montebello 145.0 仏#5 1970 Ch. Montrose 141.0 仏#6 1970 Ch. Haut-Brion 139.5 米#7 1973 Stag's Leap Wine Cellars 133.0 米#8 1972 Clos du Val 129.0 米#9 1970 Heitz Cellar 124.0 仏#10 1971 Ch. Leoville Las Cases 119.5

 こんな結果でした。 私は、このオフィシャルな審査には加わる事はできませんでしたが、終了後に特別に関係者の方に入れて頂き、全てのワインを試飲する機会を頂く事ができました。 これはもう本当に感謝と幸せで胸がいっぱいになりました。

1位だったフリーマークアビーは実は1976年では最下位でした。 状態の完璧さもあるのだと思いますが、果実味も感じられ上品なフィネスをまだ感じるバランスの良さ。

2位のマヤカマスはわたしが頂いた時には酸化熟成のニュアンスが多かったのですが、クラシックな造りを今でも貫いてるワインに敬礼を。

3位のムートンは、これはまた素晴らしかった!時間がたっているにも関わらずワインは丸く柔らかでしなやかで、美味しかった‼︎

4位のリッジはほんとにほんの少しだったので感想は控えます。わからなかったです。

5位のモンローズが意外と…よくて。でも、これはフランスってすぐ分かった!カリフォルニアだったらこんな風に絶対ならない熟し方。完全にドライで果実はあまり見つけられなくて。

6位のオーブリオンは余韻が長くおそらく最初に注がれた時はまだ良かったのではないかと思います。私が頂いた時は酸化のニュアンスが少し強くなってたけれど余韻の中のふくよかさというか、タンニンの感じがいいワインだっただろうな、という印象でした。

7位のスタッグスリープは、どうなんだろう。もう少し上位にいると思ってたけどやっぱり40年以上経つと当時の樹齢の若さも関係するのか、このボトルがそうだったのか、それとも私が頂いたタイミングなのか、もう完全に枯れてしまった感じがありました。ただ、味わいの中心にあるナパバレーらしいボルドーにはない果実味が綺麗に完全に枯れた感じ…というのは確かに感じられました。

8位のクロデュヴァルは、けっこう色がしっかりしていたので、どうかな?と思って頂きましたが、結構酸化熟成が進んでいました。

9位のハイツも。でも、ハイツのワインってやっぱり独特なんですね。なんていうか、よくミントとかって表現されることもありますが、ミントは全く感じなかったけど、でも明らかに他の9本のワインには全くない、うーん、なんだろ、ハーブ系のニュアンスがあったんですよね。

10位のレオヴィルラスカーズ…どうした、ラスカーズ!?…という、、、これ以上は控えときます(苦笑)いえいえ。でもこの時代のボルドーワインって色々と変わっていく前だったわけで。ボルドーの古酒の経験がプロのテースターの方より圧倒的に少ない私がジャッジするのは控えます、という意味で。

私の愛するナパバレーの今の発展は、この「パリステースティング」がなければありません。 もちろん、ナパバレーは素晴らしいワイン産地なので、いつか、今の地位にきちんと君臨することにはなるに決まっていますが、その発展スピードを50年は縮めたであろうと言われています。

今日は、5月24日。 41年前の今日、このパリステースティングが行われました。 41年前、たったの41年前、ワインの取り巻く全ての世界が大きく変わったのです。

白ワイン部門で1位になったモンテレーナのオーナー、ボー バレット氏の興奮した言葉を思いだします。

「カナ、あのテースティングの結果で、ナパバレーで、もがいていた俺たちが間違っていなかったと、証明されたんだよ!ワインの造り方も、ワイン産地としてナパバレーが、本当に本当に素晴らしいのかどうかも、わからないけど、ただやみくもに信じていただけの俺たちが、やっぱり正しかったんだ、と証明されたんだよ!! この意味分かるかい? …そして、優れたワイン産地は決してボルドーだけじゃない、ブルゴーニュだけじゃない!その可能性が世界中に証明されたんだよ!!」

今でも、この話を思い出すと泣きそうになる。 50年後の、100年後のナパバレーの発展を見届けたい。… 人間の人生なんてほんとに短い。でも、私が生きてるうちは。 この事実を、もっともっと多くの人に伝えたい。100年後も、200年後もワインの歴史の1ページの中にカリフォルニアワインの発展への加速の大きな一歩を踏み出したこの事実が、ただの勝敗だけで伝わりませんように。

本当に、41年前のオリジナルワインを全てテースティングできる日が来るなんて。 本当に貴重な機会をいただいた主催者の「クラブ デノフィル」のJoeさん、この会に足りなかった最後の1本を用意された水内さん、本当にありがとうございました。

夢のような1日でした。 ウォレンさんに、直接あの日の勝利を知った時の状況や、気持ちを伺うことが出来ました。

今でも夢のような気持ちです。 これからも、カリフォルニアワインの伝え手として、そして、さらに、世界中のワインの楽しさと、奥深さを伝えることができる伝え手として、一歩ずつ、進んで生きていきたいです。


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