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初来日!トーマス・リバース・ブラウン氏

久しぶりに心が揺さぶられるようなワインセミナーに参加させて頂いた。

カリフォルニアワインシーンで知らない人はいない、この方「トーマス・リバース・ブラウン」氏。

醸造家としてのコンサルタント契約数は40社、これまでにパーカーポイントを100点を20回も獲得しているという強者。なかなか満点を輩出しないワインスペクテーター誌でも2007年に満点を獲得。 多忙な彼をインポーターの中川ワインさんが口説きにくどいてやっとの来日となったそうだ。

 代表的なワインはそのほとんどがカベルネソーヴィニョン主体のパワフルなワイン。

  「シュレイダー」「アウトボスト」「マイバッハ」・・・などなど

そのワインの人気はとどまることを知らず、ワインの価格は1本2万円〜7万円で取り引きされる。

(・・・ということは。いくらカリフォルニアワインにどっぷりな私でも、なかなか飲めるものではありません(苦笑))

そんな売れっ子醸造家が自らのブランドを2002年に設立。妻のジェネヴィエーヴ・マリー・ウェルシュさんとのミドルネームを組み合わせたその名も「リバース・マリー」

そして、カベルネの王者が選んだ自らのブランドは「ピノノワール」!

 私はこの「リバース・マリー」のピノノワールが大好きで、大好きで、アカデミー デュ ヴァンの研究科の授業でも何度も使用しているし、ピノ好きが集まるワイン会にも何度も持って行く自慢の1本なのでこの日のセミナーを待ちわびていた。

 セミナー内容は今、大注目のオキシデンタル地区。3km以内の畑違いの「リバース・マリー」のピノノワールの6種の比較試飲とその畑の個性について。

 もう興奮して鼻血が出るかと思った〜!

①Suma Old Vine 2013

②Suma Vineyard 2013

③Sonoma Coast 2013

④Occidental Ridge 2013

⑤Silver Eagle Vineyard 2013

⑥Kanzler Vineyard 2014

通常であれば、だいたい値段の安いものから高額に向けての試飲となるが、今回は①⇒⑥に向けて赤い果実⇒黒系果実、軽い⇒重い、涼しい⇒暖かい というテイストの違いでの順番。

 とはいっても、オキシデンタル地区はソノマコーストの中でも冷たい海からの風が届く冷涼で本当に小さいエリア。 

 順番に試飲すると、こんなにピノノワールの違いが明らかなのかと驚きながらセミナーに聞き入る。

①スーマ オールドヴァイン:

  スーマヴィンヤードの中でも樹齢40年の区画のもの。オキシデンタルの中での最も西で海に最も近い。霧ががかかり、天気が良い日でも涼しいエリア。PHが低く酸度が高い。

 100%新樽を感じない本当にキレイな赤い果実と、彼の表現した「オレンジ」の香りを探す。 うん、確かに。次々に香りのレイヤーが華やかに広がるが決して主張はしない。(めちゃ美味しい!)

②スーマヴィンヤード:

  隣同士で飲み比べるとその違いは明確。樹齢のまだ若いピノノワールのものを同じ畑の中で使用。実はスーマの畑はもともと1978年に植樹した時、樹間が広すぎだったため、畝と畝の間に新しく植樹したとのこと。それがこの②のワイン。

 樹齢が若い分、樹勢が強く早く生育するこのワイン、①より濃く、果実味が出てる感じ。

①ほどの複雑味はないけど、チャーミングで私大好き!

③ソノマコースト:

 このワインだけ単一畑ではないもの。・・・とは言っても。オキシデンタル地区内のシングルヴィンヤードで作っていないリドルランチの畑のものと、他の契約畑の中のシングルヴィンヤードには入らなかったピノノワールのブレンド。ポマール、ディジョン828、マウント・エデンのもの。

明るい果実味ときれいなバランス。定価6500円?! これはいい。

④オキシデンタル・リッジ:

  フェイラやジョーダンも契約しているここの畑のもの。クローンは主にディジョン。このあたりから明らかに少しずつ果実の熟度を感じるニュアンスへ一気にシフト。トーマスはこの熟したブドウの甘みのある味わいとのバランスを取るために10%梗を入れたと語った。 梗の味わいを「加える」のではなく、ミッドパレットの甘さを和らげるため、という「引き算」的な感じ。

わりと骨格もしっかりある。 そして、「少し、ミントのようなセージのようなそんなニュアンスを感じるだろう?」これはここに自生している「ペニーロイヤル」からくるんだよ!

とのこと。「ペニーロイヤル?!」アンダーソンヴァレーのサヴォイヴィンヤードでも聞いたあのハーブ。 オキシデンタルリッジの畑にだけ、多く自生しているらしい。

⑤シルバーイーグル:

 ヴォーヌ・ロマネとカレラ、そしてディジョン828! 同じく素晴らしいワインメーカーで私の友人でもあるグレッグ・ブリューワー氏の好きなクローンじゃなかったかしらん。

サンプル品としてクローン828を単一でボトリングしたものがあったはず。(それはさておき)

シルバー・イーグルは海からの距離はオキシデンタルリッジと同じくらいなのに、なぜこんなに熟したニュアンスがあるんだろう・・。(最後に質問してみた!)地図だけ見ていると距離変わらないように見えるけど、小さな丘があり、シルバー・イーグルの畑は冷たい風が少し遮られるそう。

 なるほど。これぞマイクロクライメット! このワインも熟した果実味が甘く感じたので梗を10%加えたそう。 確かに熟した甘みは感じるけれど、割としまったタンニンも感じられ、全体的にはキュッとしまった印象すら与える。

⑥カンツラー:

 このワインだけが少し離れたセバストポル・ヒルにあり、スーマに比べるとずっと内陸に位置する。土壌の組成も他の5つのものとは違ってゴールドリッジの砂質でも茶色っぽいものだそう。

ディジョンクローン667と115、そしてポマールクローン。

最も黒系果実で割と重心も下の方というか、重い感じ。

バランスを取るための梗は15%に引き上げたそう。特に2014年はその品種の個性のでるような年だったそう。

 それにしても。

畑のスナップショットを切り取ったような。そんなワインを目指しているというトーマス氏、それならどうして全てを同じ造り方にしないのか?

 そんな疑問が私と友人とでわき上がり。

聞いてみました。

 彼は、その畑のもつ個性を最大限に引き出し、そしてさらにより素晴らしいワインにするためにそれぞれの造り方を変えているんだと。まるでお寿司の職人が同じ築地の種類の同じ魚にお仕事して頂く寿司は・・・たしかに、味は全く違う。・・そんな感じ?

 結構、納得(笑)

 このピノノワールの素晴らしさは、こんな私のブログでは伝えきれません!

本当に、久しぶりに心に響く比較ワインセミナーでした。

こんな素晴らしいセミナーに呼んで頂いて心から感謝の気持ちをこめて。

インポーターは中川ワインさん。

http://www.nakagawa-wine.co.jp/

・・・・ということで。

そんなこんなのカリフォルニアピノノワールをもっともっと知りたい方♡

アカデミー デュ ヴァンの研究科でオタクなカリピノ講座やってます(笑)

でも、来期(2017.4スタート)は番外編のクラスしかやってないのですが。

ちょっと宣伝で。見てみてください♪

https://www.adv.gr.jp/curricula/detail/9298

10月スタートの講座はまたピノチャレやりますから、8月頃チェックしてくださいね!

(遠いな・・・笑)


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